なぜ続かないのかは、始めた時点で決まっていたかもしれない

無理なく続けるブログ運営

何かを始めるというのは、簡単なことではありません。
頭の中で思い描くだけで終わることも多いなか、実際に手を動かし始めたという事実には、それだけで大きな価値があります。

ただ、始められたとしても、それを続けていくのはまた別の話です。
少しずつ感触が薄れていく。成果が見えない。やっている意味が分からなくなる。
続けていくうちに、そうした違和感がじわりと浮かび上がってくることがあります。

続かないのは、意志が弱いからでも、熱量が足りなかったからでもないのかもしれません。
もしかすると、始めた時点で、すでに“止まりやすい構造”が入り込んでいた可能性がある。
続けることの難しさは、構造の問題として捉え直す必要があるのかもしれません。

続けることが難しいのには、理由がある

何かを続けようとするとき、途中で手が止まることがあります。
意志が弱いからでも、集中力が足りなかったからでもありません。
けれど、いつの間にか「続けることそのもの」が重たく感じられてくる。

たとえば、やっていることの意味がうまくつかめなくなる。
誰かに届いている実感が持てない。
「始めたときは前向きだったのに、なぜ今こんなに迷っているんだろう」──そんな気持ちが少しずつ積み重なっていきます。

こうした状態は、本人の性格ややる気だけでは説明しきれないことがあります。
そもそも、行動と目的のあいだにどんなつながりがあったのか。
その設計があいまいだったなら、途中で手が止まるのは自然なことかもしれません。

続けることの難しさを、気持ちや根気ではなく、行動のしくみとして見直す
その視点から考えると、見えてくるものがあります。

始める理由と、続ける理由は一致しない

何かを始めるときには、それなりの理由があります。
新しいことに挑戦したい、不安を解消したい、誰かに近づきたい。
きっかけはさまざまでも、その瞬間には「やってみよう」と思えるだけの動機が確かに存在しています。

けれど、続けていく中で、その理由が少しずつ力を失っていくことがあります。
始めたときの動機が、そのまま継続の理由になってくれるとは限りません。
最初の動機が外向きのものであればあるほど、思うような手応えが得られなかったときに、急に足が止まってしまうこともあります。

ここで重要なのは、「始めたときの理由」と「続けていくための理由」は、同じである必要はないということです。
むしろ、行動のフェーズが変われば、理由も変わって当然です。
それにもかかわらず、当初の動機にすがり続けてしまうと、ずれが大きくなったときに、動けなくなってしまいます。

だからこそ、「今、なぜ続けたいのか」を改めて言葉にしてみることには意味があります。
過去の動機ではなく、今の動機に構造を合わせていくという視点が、継続の設計には欠かせません。

途中で止まるポイントは、あらかじめ仕込まれている

気づいたときには、手が止まっていた。
やる気がなくなったわけでも、完全に時間がなくなったわけでもないのに、なぜか続かない。
それは、はじめから「止まりやすい仕組み」が隠れていたからかもしれません。
このセクションでは、続けるのが難しくなる原因が、どのように行動の中に入り込んでいるのかを見ていきます。

続かなくなるのは偶然ではない

やる気が落ちる、成果が出ない、誰にも見られていないように感じる──。
こうした感覚は、何かを続けていれば、多くの人が一度は経験します。
「またダメだった」と自分を責めてしまうこともありますが、
それは意志が弱いからではないかもしれません。

実は、行動そのものに「続けにくさ」が入り込んでいた可能性もあります。

継続を止める仕組みは、最初からある

続けるのが難しくなる背景には、やる気や気分だけでなく、
最初の段階から準備されていなかった「見えない穴」が関係していることもあります。

たとえば、

  • 成果が出るまでに時間がかかる仕組み
  • 数字や反応に頼ってやる気を出している状態
  • 日々の変化が見えづらく、進んでいる実感を持ちにくい作り

こうした条件は、最初は気にならなくても、
少しずつ「これでいいのかな」と不安を呼び込む場所をつくります。
それは言いかえれば、「いつか止まりたくなるポイント」が、はじめから仕込まれていたということです。

続けるには、止まりやすい場所を見つけておく

行動を続けるためには、モチベーションだけに頼らない工夫が必要です。
とくに大切なのは、「どこで止まりたくなるか」を前もって考えておくこと。
疲れが出てくる時期、成果が見えにくくなる時期、迷いが生まれやすいタイミング──
そうした場所をあらかじめ見つけて、そこに支えを用意できるかどうかがカギになります。

行動が止まるのは、たまたまではありません。
小さなつまずきが積み重なりやすい場所を放っておくと、
それがやがて「やめる理由」になってしまいます。


止まりやすい場所を減らすには、ただ頑張るだけでは足りません。
つまずきそうなポイントを先に見つけて、うまく橋をかけておく視点が必要です。
次は、その「橋のかけ方」について考えていきます。

止まりにくい仕組みを、あとからでも足せる

止まりやすい地点が見えてきたら、そこに橋をかけるような工夫が必要になります。
はじめから完璧に設計することは難しくても、「あとから整える」ことは誰にでもできます。
ここでは、途中で手が止まりそうになったとき、続けやすくなる仕組みを後付けするための視点をいくつか紹介します。

記録は「続いている感覚」を支える

何かを続けていると、ふと「自分はいま、何をやっているんだろう」と感じる瞬間があります。
目に見える成果が出ていないときほど、その不安は大きくなります。

そんなときに支えになるのが、「記録」です。
記録といっても、難しいものである必要はありません。
メモやカレンダー、アプリ、日記のようなものでも構いません。

人は、自分の変化や積み重ねを実感できたときに、「まだ続けている」と思えます。
その感覚が、次の一歩を自然と引き出してくれます。

足場のなさが、迷いを生む

止まりやすくなるのは、「次に何をすればいいか」が見えなくなったときです。
たとえば、書くネタが思いつかないとき。何を優先すればいいか分からなくなったとき。
そういうときは、意志ややる気の問題ではなく、「次に進むための足場」がなかっただけです。

行動の断絶は、足場の不在から生まれます。
いま自分が立っている場所と、次に踏み出す場所。その間に距離があると、人は止まってしまうものです。

すぐ次に動ける「きっかけ」を置いておく

止まってしまったあとの再始動が難しいのは、「最初の一歩」が重たくなっているからです。
次に何をやればいいかが分からない、前回どこまでやったか忘れている──。
そんな状態では、再開するまでにエネルギーが必要になります。

そこで効果的なのが、「次にやることを、あらかじめ決めておく」ことです。
作業を切り上げるときに、「次は〇〇をやる」とメモを残しておくだけでも、次の一歩が軽くなります。

ペースではなく構造を見る

続かなくなったとき、「もっと頑張らないと」「やる気が足りない」と思いがちですが、
その前に一度立ち止まって、「このやり方で続けられる構造になっているか?」と見直してみることが大切です。

モチベーションや気分は変動します。
けれど、行動の構造がしっかりしていれば、その浮き沈みの中でも戻ってこられる道が残ります。

続けるために必要なのは、完璧な習慣でも特別な才能でもなく、
「戻れる場所」と「踏み出せる足場」を用意しておくことかもしれません。

再開するための“最初のきっかけ”を設計する

「続ける」ことは難しいですが、
「もう一度始める」ことには、また別の難しさがあります。

いったん止まってしまったときに、気持ちを立て直すのは簡単ではありません。
けれど、「再開しやすい構造」をあらかじめ仕込んでおくことができれば、
もう一度動き出すハードルは、少し下がるかもしれません。

小さな動作が、再開の“引き金”になる

止まった状態から動き出すには、「やることを再開する」のではなく、
「その手前の動作」を起点にするのが効果的です。

・エディタを開くだけ
・数行だけメモを書く
・次に書くテーマのキーワードだけ残す
・ルーチンのファイルを開くだけ

こうした行動は一見些細ですが、「動いた実感」を生みます。
それが、行動の呼び水となります。

「少しだけ触れる場面」を日常に仕込む

習慣が消えていくときは、決して一気に途切れるのではなく、
“なんとなく遠のいていく”というフェーズを経ることが多いものです。

このフェーズで、いかに小さくでも接点を保てるかが重要になります。
たとえば「週に1回だけ、開く日を決めておく」「進捗を記録するだけの日を作る」といったように、
少しだけでも向き合える余白をスケジュールに残しておくことが、
結果として大きな断絶を防ぐ手立てになります。

「戻りやすい設計」は、意志の代わりになる

再開できる人とできない人の違いは、
意志や情熱の差ではなく、「戻りやすい設計を持っていたかどうか」に過ぎない場合があります。

・戻る場所がある
・次にやることが明確
・自分がどこにいるかを把握できている

これだけで、再開のハードルは大きく変わります。
感情ややる気に頼るのではなく、「戻るときの導線」を組んでおくこと。
それが、続けることの土台になります。


感情ややる気に頼らず、「戻りやすさ」を整えておくこと。
それが、止まりにくさと並んで、長く続けるうえでの支えになります。

そして、もし今まさに「再開しようか」と思っている段階であれば、
次に何を整えておくべきかをあらためて見直してみるのも良いかもしれません。

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まとめ|止まっても戻れる仕組みを

「続けられない」の背景には、本人の意志の問題よりも、仕組みの不足が隠れていることが少なくありません。

  • 行動に取りかかるまでのハードルが高い
  • 何をすべきか毎回考える必要がある
  • 再開の糸口が見つからない

実際、特定非営利活動法人アフィリエイトマーケティング協会の調査(2023年)では、
1年未満でブログをやめる人は約30%5年以上続けている人は2割未満というデータも出ています。
それだけ、継続することには難しさがあるという現実があります。

だからこそ、「やる気が続くか」ではなく、また始められるかどうかに目を向けていくことが大切です。

止まらないことを目指すのではなく、止まっても戻ってこられる構造を用意しておく。
その発想の転換が、継続におけるプレッシャーをやわらげてくれるはずです。

やる気がなくても、一歩踏み出せる日。
ふと触れたことで、また少し前に進める日。
そうした“戻れる設計”の積み重ねが、自分らしい継続のかたちをつくっていきます。

著者プロフィール

シミズヒサノリ|Trigger Log運営メンバー
広告会社でマネジメント業務に従事している40代。
30代前半のころから副業を始め、ブログ運用、広告運用、業務委託など複数の副業を経験。
現在の副業歴は約10年。
Web制作会社での勤務経験もあり、UX(ユーザー体験)を意識した情報設計・コンテンツ発信に取り組んでいる。

自分の経験が、誰かの「最初の一歩」の後押しになればうれしいです。