副業に踏み出せない30代後半〜40代へ|不安を抱えたまま始めても大丈夫だった話

ツール・環境

副業を始めたいと思っても、いざ行動に移そうとすると、足が止まってしまう。
そんな経験、ありませんか?

特に30代後半から40代にかけては、家庭や仕事、健康、時間、お金など——背負うものが増えるタイミングでもあり、新しいことを始めるには慎重になりがちです。
「やらない理由」はすぐに浮かんでくるし、「やってみる理由」が見つけにくくなる。

それでも私は、副業に一歩踏み出してみました。
そして今思うのは、「不安があっても始めてよかった」ということ。

このページでは、実際に感じた迷いや葛藤、それでも始めてみて変わったことを整理しています。
同じように立ち止まっている方にとって、何かのヒントになればと思いながら書いています。


副業に踏み出せない主な要因

副業に関心はあるものの、実際に動き出すまでにはいくつもの壁があります。 ここでは、30代後半から40代の方が踏み出せずにいる、主な理由を整理してみます。

将来の不安はあるが、現状への“慣れ”が勝つ

将来の働き方に不安を感じることがあっても、毎日がなんとか回っていると、ついそのまま過ごしてしまうことがあります。
新しい行動にはエネルギーが必要で、失敗するリスクや家族への影響なども気になりやすく、動き出すのが難しく感じられる場面は少なくありません。

「このままでいいのか」という気持ちがあっても、「今すぐでなくても大丈夫」と思いたくなる。
そうした感覚の繰り返しが、知らないうちに動くきっかけを遠ざけてしまうこともあるように思います。

副業に限らず、新しいことに踏み出すときには、こうした“慣れ”との向き合い方がひとつの鍵になるのかもしれません。

家族・職場への“説明責任”が重い

副業を始めようとするとき、家族や職場にどう説明するかが気になる方も多いのではないでしょうか。
「何をするの?」「本業に支障はないの?」といった問いに対して、はっきり答えられる自信が持てず、それが動けない理由になってしまうこともあります。

会社の副業規定に違反していなくても、周囲の目や、もし知られたときの反応が気になる場面もあるかもしれません。
家庭内でも、「自分の時間をどう使うか」を共有しにくい空気を感じて、踏み出しにくくなることは少なくないように思います。

こうした感情や状況は、副業を始める前に想像以上のハードルとして立ちはだかることがあります。
だからこそ、「どう伝えるか」ではなく、「なぜ迷っているのか」を一度丁寧に整理してみることが、次につながる第一歩になるかもしれません。

若くないし…と、年齢を理由に迷ってしまうとき

副業に興味があっても、「もう若くないし…」という気持ちがあると、足が止まってしまうことがあります。
20代や30代前半の事例ばかりが目につくと、「今さら始めても遅いのでは」と感じる場面もあるかもしれません。

30代後半や40代は、本業や家庭の影響も大きく、思うように動けないこともあります。
それでも、これまで積み重ねてきた経験や判断力が、無理のない進め方につながることもあります。

年齢のことが気になるのは自然なことですが、「遅いかもしれない」という感覚だけで選択肢を狭めてしまうのは、少しもったいないようにも思います。

時間と体力に“明確な限界”を感じている

副業に興味があっても、平日の夜は本業で疲れきっていたり、家事や育児に追われていたりと、思うように時間が取れないという声は多くあります。
「少しの時間でも取り組めばいい」と分かっていても、体力的な余裕がなければ、それすら難しく感じてしまうこともあります。

休日にまとまった時間を確保しようと思っても、家族との予定や自分の休息を優先したくなる場面もあるかもしれません。
やる気があっても、それを支える“体の余裕”が不足していると、自分に対して焦りを感じてしまうこともあるのではないでしょうか。

こうした物理的な制約は、副業に踏み出す際の現実的なハードルとして、思っている以上に重くのしかかることがあります。

副業=お金、という固定観念

副業と聞くと、どうしても「収益を出すこと」が目的になってしまいがちです。
特にSNSやメディアでは、「副業で月◯万円」といった成果に注目が集まりやすく、それが基準のように感じてしまうこともあるかもしれません。

もちろん、収入を得たいという気持ちは自然なことです。
ただ、始める段階から「稼げなければ意味がない」と思ってしまうと、思うように進まないときに強い挫折感につながりやすくなります。

副業を始めるきっかけは、人それぞれで構わないはずです。
「スキルを試してみたい」「何かを表現してみたい」「自分の時間を見直したい」——
お金以外の動機も、自分にとっては十分な理由になるかもしれません。


不安があるから、始められない。それは当たり前の感覚

副業に興味はあるけれど、なかなか踏み出せない。30代後半から40代にかけて、そう感じている方は少なくありません。
特に30代中盤以降ともなると、いわゆる“ミドルエイジ”に差しかかるタイミングで、生活や仕事のリズムがある程度固まっていて、新しいことを始めるには相応の理由やエネルギーが必要になります。
時間の余裕も限られていますし、家庭や本業への影響も気になって当然です。
気になってはいるけれど、動けない――そんな状態に陥るのは、ごく自然なことだと思います。

ここでは、そうした迷いの中でも、特に多くの人が感じている代表的な2つの不安に焦点をあてて整理していきます。

時間もないし、知識もない。そもそも遅いのでは?

毎日が忙しくて、副業に割ける時間なんてない。何から始めればいいか分からない。今から覚えても遅いのでは――そうした声は、よく耳にします。
実際、仕事や家庭で日々が過ぎていく中で、未知のことに取り組む余裕を持つのは簡単ではありません。

また、情報を調べれば調べるほど、すでに成功している人や専門的な知識を持った人が目に入り、「自分とは違う世界だ」と感じてしまうこともあるでしょう。
年齢的な焦りも重なり、「もっと早く始めていればよかった」と思うこともあるかもしれません。

けれど、本当に必要なのは「早さ」よりも「納得感」かもしれません。
今このタイミングだからこそ見えること、無理なく始められる形があるという前提を持つだけで、見える景色は少し変わってきます。

家族にどう説明する?リスクは?という葛藤

家庭を持つ方にとっては、「自分だけの話ではない」という感覚も出てくるかもしれません。
副業を始めるにあたって、どこまで家族に共有するかは状況によって異なります。
とくに子育て中であれば、作業時間と家族の時間とのバランスは難しくなりがちです。
必ずしもすべてを説明しなければならないわけではありませんが、「どう折り合いをつけるか」は多くの人が直面するテーマかもしれません。

また、会社の就業規則や副業への理解度、周囲の目線なども、判断を迷わせる要因になりがちです。
とくに「会社に知られてしまうかもしれない」という不安を感じる方も多く、副業を始める前に、ばれる可能性や対策について整理しておくことは、安心感にもつながります。

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一歩踏み出すためのきっかけとは

副業に興味はあっても、「本当にやるべきか」と迷う時間の方が長かった気がします。
仕事や家庭を理由に先送りにしているうちに、数か月があっという間に過ぎていきました。

「このままずっと本業だけで持つのか」と思うようになった

今の仕事は、業務量も責任も重く、精神的な余裕を削られるような日々が続いています。
やるべきことは尽きず、自分の意志でコントロールできない領域も多い。
それでも「管理職だから仕方ない」「家族のために我慢しないと」と、自分に言い聞かせながら過ごしているのが正直なところです。

ただ、この働き方がずっと続くとしたら、どこかで限界が来るのではないか。
そう感じたとき、「会社だけに頼らない形で、何か持っておく必要がある」と思うようになりました。
副業という選択肢は、収入を増やすためというより、働き方の重心を少しずつ分散させておきたいという感覚に近かったのかもしれません。

完璧じゃなくていいから、まず動いてみた

副業を始めるにしても、特別なスキルがあるわけでもなければ、まとまった時間があるわけでもありませんでした。
だからこそ、「最初から大きな目標を立てるのではなく、小さく動いてみよう」と決めました。

まずやったのは、WordPressでブログを立ち上げること。
過去にも何度かブログを触ってきたことがあったので、使うテーマや導入するプラグインもおおよそ決めていました。
今回は「形よりも中身を積み上げること」を優先し、最低限の初期設定を済ませたうえで、すぐに記事作成に入りました。

構成を考えたり、使う言葉を選んだりしているうちに、仕事とは違う“自分の判断で進められる時間”を少しずつ感じられるようになりました。

その後、記事を書き進めながら、A8.netなどのASPにも登録してみました。
「この広告、どんな読者に合いそうか」「このジャンルは扱いやすいかも」といった視点が出てきたのは、実際にブログを動かしていたからこそだと思います。

やってみたことで、考え方が変わってきた

正直なところ、最初は「これが何につながるのか」は分からないままでした。
ただ、手を動かすことそのものが、気持ちの整理につながっていたのは確かです。
毎日が仕事に追われるだけだったところに、「今日少し進められた」「新しいことを知れた」という実感が加わっただけでも、モヤモヤの質が変わっていきました。

成果や効率ではなく、「自分のために何かを進めている」という感覚。
それを持てたことが、自分にとっては何より大きな変化でした。


始めてからの変化と、今だから言えること

副業を始めたからといって、すぐに目に見える成果が出たわけではありません。
それでも、「やってみた」という事実と、それに伴う感覚の変化には、思っていた以上に価値がありました。

「自分のために使える時間」が生まれた

記事を書いたり、構成を考えたりする時間は、本業のように誰かに評価されるものではありません。
でもそのぶん、自分で考え、自分で決めて動ける時間でもあります。

忙しい毎日の中に、ほんのわずかでも「自分のための時間」があることで、気持ちのバランスが変わってきました。
副業を通じて取り戻したのは、“成果”よりもまず“感覚”だった気がします。

思っていた以上に、過去の経験は活かせた

本業でのスキルや知識がそのまま通用する場面は限られていましたが、ゼロから学ぶという感覚でもありませんでした。
「これは通じる」「これは違う」と試す中で、自分の中にあるものを組み替えていくような実感がありました。

新しい挑戦の中に、これまでの経験を活かす余地があるとわかったことで、「これから先に進めるかもしれない」と思えたのは、大きな収穫でした。

動き出したことで、不安の質が変わった

何もしていないときは、将来に対して漠然とした焦りだけがありました。
でも今は、「やらなかったらどうなっていたか」と悩むことはなくなりました。

不安が消えたわけではありません。
けれど、自分で選んで、自分の時間を使って進めていることが、日々の中にひとつの軸をもたらしてくれています。
それが、自分にとって副業に取り組んだ何よりの意味だったと思っています。


「始めてみたいけど怖い」人へ伝えたいこと

副業を始めるかどうかで迷っているとき、何より厄介なのは「動けない自分を責めてしまうこと」かもしれません。
けれど、不安や迷いがあるのは自然なことですし、怖さがあるということは、それだけ真剣に考えている証拠でもあります。

「始めてもいい」理由は、意外とたくさんある

たとえば、「本業だけでは不安だから」という理由でもいいし、
「何か新しいことに取り組んでみたい」でも、「昔やってみたかったことを思い出した」でもいい。
どんな理由であっても、それが自分の中で納得できるものであれば、十分始める理由になります。

きれいな目標がなくても構いません。始める前から、全部を整える必要はありません。

迷っている間に、小さな一歩だけ決めてみる

行動といっても、大きな決断である必要はありません。
たとえば「情報を集める」「サービスに登録だけしておく」「1時間だけ時間を取って考える」。
そんなふうに、“やるかどうか”を決める前に、“できること”をひとつ置いてみるだけでも、動き出しの感覚が変わってきます。

迷いの中でも動ける方法は、必ず見つかります。

誰かに見せるためではなく、自分の納得のために

副業というと、SNSでの成果報告や成功体験が目につきやすく、つい人と比べてしまうことがあります。
でも実際には、「誰かに認められること」よりも、「自分で納得できること」のほうが長く続く軸になります。

始めてすぐに成果が出なくても、それは当たり前のこと。
それでも、自分の時間を使って、自分の意思で動けたという事実は、確かに残ります。

それは、静かだけれど確かな自信になっていくはずです。


ここで書いてきたことは、あくまで一つのケースにすぎません。
けれど、「始めたいけど不安」という気持ちに向き合うとき、何かのヒントになればと思ってまとめました。

少しずつでも進めていきたい方に向けて、次のステップを整理した記事もご用意しています。
気になるテーマがあれば、あわせてご覧ください。

著者プロフィール

シミズヒサノリ|Trigger Log運営メンバー
広告会社でマネジメント業務に従事している40代。
30代前半のころから副業を始め、ブログ運用、広告運用、業務委託など複数の副業を経験。
現在の副業歴は約10年。
Web制作会社での勤務経験もあり、UX(ユーザー体験)を意識した情報設計・コンテンツ発信に取り組んでいる。

自分の経験が、誰かの「最初の一歩」の後押しになればうれしいです。